コビトスルヒト

筋トレが好きな7歳の息子との日々

ママのルーツを巡る旅

いつか息子に、私が子どもの頃育った家や私の母のお店だった所や幼稚園や小学校、中学校…私のルーツを見せたい。

と、思うようになったのはいつからだろう。多分私が卒園した幼稚園が数年後に閉園になるらしいと知った時かな。1〜2年前。

 

木造でできた古い作りのその幼稚園は、滑り台は石で出来ているので思いっきり滑ってはパンツをボロボロにしていたし、座る部分が丸い筒状になっているブランコは滑ってよく落ちた。あんなブランコは他には見たことがない。蛇口をひねると出てくる普通の水道ではなく、直管に穴を開けたような作りでチョロチョロ気持ち程度に出る水道。話のネタになるような部分が沢山あって、それを良く息子に話して聞かせていた。だけど全ての事に不満なく、全部笑い話だし全部楽しい思い出なんだよね。

 

昔住んでいた古いアパートも、古くてボロいアパートだったけど、ここでも楽しい話や思い出ばかり。私って歳と共に記憶があまりなかったりするんだけど、小さい頃の記憶って凄く鮮明に残っていて。だけどあの頃って動画を撮るなんて記録は全くないし、写真もフィルムカメラだった時代なのであまり残っていない。写真を撮ると言えば幼少期の私個人や家族での写真を撮ると言う感じなので、記念に家だけの写真だとかトイレの写真だとかベランダから見える景色だとかは全く残っていないわけで。ベランダを開けると庭には桜の木があったので春にはそれは贅沢な家花見ができるほど綺麗だったのです。

あのアパートは残っているのだろうか。

 

という訳で、息子と一緒に"ママのルーツを巡ろう!!"という旅をしました。

 

まずはアパートへ。もうね、アパートに近づくにつれてその道を車で走るだけで懐かしいが止まらなかった。

 

古いアパートは外壁の色こそ塗り替えられていたもののあの時のまま残っていて、そして住んでいた部屋だけではなく全部屋人が住んでいるようでした。どんな人が住んでいるんだろうなー。私の思い出が詰まったその場所に。

近所に住んでいる一軒家の人たちは表札もそのままだったので今も変わらず住んでいるようでした。ピンポーンと行きたいところだったけど、それはやめた。

 

私が外で色々と話して息子に聞かせている時に、小さな女の子と手を繋いだお母さんが歩いて散歩をしていて。嗚呼きっと私と母もこんな感じだったんだろうな。と懐かし切ない気持ちになった。

 

良くおつかいに行った近所の商店はもう中は何も売っていない様子だったけど、中にあのおじさんがいた!絶対あのおじさんだった!そりゃあ老けてはいたけどあの時の顔だった。

 

母がやっていたお店とか、父が事務所として借りていたマンションなどは形が変わっていて、好きだったお店とか、良く出前をしていた蕎麦屋も見つからなかったな。

 

続いてはお昼ご飯。これはもう迷いなく母と2人で大好きだったラーメン屋。塩ラーメンが絶品で、今でも私たちが1番美味しい記憶しているラーメン屋はここ!以前の場所になかったので閉店してしまったのかと思ったら、良く調べたら移転していた。近代の文明スマホありがとう。調べなかったら移転を知らずに諦めていたわ。昔は狭い店内に数人の店員と客で活気のあったラーメン屋だったけど、今回昼時に行ったにも関わらず店内に誰も居なくて、店員さんも少なくなっていてなんだか時の流れに胸を締め付けられた。。。20年以上振りにまたこのラーメンを食べれて感動したな。母も連れて来たかったなぁ。

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帰りにお店の方に、私がこの子(息子)くらいの頃、母と良く通っていた事、私も母もここのラーメンが好きだったので息子にも食べさせたくて来たという事を伝えた。とても喜んでくれていて、母を連れていつか来ると伝えてお腹も胸もいっぱいになったところで続いては思い出の幼稚園に向かいます。

 

そこが幼稚園だよー…と、園がすぐ迫って来た時に1人のご老人がいて。こんにちはと挨拶をすると優しくこんにちはと言ってくださったその方は幼稚園の園長先生でした!私の時の園長先生の娘さんですね。あの頃はご高齢だった園長先生の補助をしていた方。もう30年以上たっているので一目で気がつくという事は出来なかったけど、たしかにその人だった。

優しく息子に話しかけてくれたので、実は私はこの園の卒園生で、息子に幼稚園を見せに来たことを伝えると、「是非中で遊んで行って、中も見せてあげて」と中に入れてくれたのです。園長先生は用事があって丁度出掛けようとした時だったのでそこでお別れになり、中には園児もいない状態だったのでとても静かな幼稚園でしたが、石のすべり台も丸いブランコも配管水道も、教室の中、棚やオルガンやあれもこれも当時のまま。びっくりするほどタイムスリップ状態でした。

 

丁度掃除をしている先生が2人いて、私の苗字を伝えると「え?!なんか記憶にある!◯◯さん」と。先生の苗字を聞いても私には全くピンと来ない。私の担任だった先生の名前を告げると、少しだけ被っていた時期があったようですが今はもうもう誰もいなかった。ではこの先生は一体?!…実は偶然にも2人とも私の弟の担任の先生だったのです!!!年少と年中の時かな。直接私には関わりはないけど、もうミラクル過ぎて懐かしくて嬉しくて昔の幼稚園の話とか色々できて盛り上がり、ついでに母にも電話をかけて「あの頃はお世話になりました!!」なんて楽しい時間を過ごせました。

 

多分きっと私が自分の卒園した幼稚園をこの目で見れるのはこの日が最後でしょう。閉園してもこの形のまま残ってくれることを願っていますがどうなんだろう。後悔しないように沢山の物を見て写真に残して目に焼き付けてきました。ここで私は楽しい幼稚園の日々を過ごしていたんだな。そしてあの頃一緒に過ごしたお友達の何人かとは今でも繋がっているんだよ。凄いな。

 

ただ外観を見に行く予定で来たのだけど、中に入れてもらえて色々見せてもらえて、先生たちとも話せて、本当に今日来てよかった。

 

小学校は面影なく変わっていて、私の記憶が喪失しているのかと思った。

中学校はそのまま。あの時のまま。でも雨が降ってきて車で通って見ただけ。

アルバイト先だったスーパーもあのまま。

小学校中学校アルバイト先の感想薄いけど、どこも感動しながら見てきたのです。行ってよかったし、息子も「楽しかったし、いつか自分の子どもにも同じことをしたい!」って言ってた。

 

次回は私の母の故郷でもあり私が産まれた地でもある北海道に息子を連れて行きたいな。